大学受験英語:共通テスト向け英検が予約金を取る、その理由は?

夏はまだか?という感じですね。
今日は、また共通テストについて書いていきます。

共通テストの英語外部利用試験についてはTOEICが撤退するなど、まだまだ明らかにならない点が多いですね。

そんな中、共通テスト向けの新型の英検が、最初の申込時に3千円の「予約金」を取ることが分かりました。

それに対して受験生や高校から反発の声が上がっているようです。

なぜ予約金が必要?新型英検って何?この点について解説してみたいと思います。

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目次

そもそも新型英検って何?今までと何が違うの?

ところで、この新型英検とはいったいどんな試験なのでしょうか?
今までの英検と何が違うのでしょうか?

英検を実施している日本英語検定協会は、大学入試共通テスト向けの英検として、「大学入試英語成績提供システム」利用型 英検を新たに設定しました。

これが、新型英検と呼ばれるものです。

これはこれまでの「英検」とは少し異なります。

通常の英検は、1次試験でリスニング・リーディング・ライティングを行い、1次の合格者だけが2次のスピーキング試験を受けるものです。2次の試験に合格すると英検〇〇級合格となりました。

ところが、大学入試共通テスト向けの試験に英検を利用する場合に、この従来型の英検ではダメなことが分かりました。

えらい人たちが話し合った結果、共通テスト用の外部試験は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング4技能の試験を原則として1日で行うと決めたのでした。

これが決まった時は、特定の試験に有利なように決めたのでは?という批判的な意見も聞こえていましたが、とにかく、英検も1日で4技能を行う試験を設定しなくてはならなくなりました。

TOEICもリスニング・リーディングと、ライティング・スピーキングを別の試験として実施しています。1日で4技能の試験をすることが困難だったのが、TOEICが共通テストから撤退した理由の一つです。

ビジネス向けであり、高校生以外がメインターゲットのTOEICに対し、英検は、高校生の9割が利用したい外部入試として挙げているため、共通テストから撤退するわけにはいきません。

そこで、従来の英検の試験を1日で行えるようにしたものが、

英検1 day S-CBT

になります。

しかも、この英検1 day S-CBTは、
大学受験をする人しか受けられない試験となっています。

この英検1 day S-CBTを受験するためには、事前登録が必要で、その際に予約金3000円が必要ということです。

*他にも、2014年に始まった「英検CBT」も共通テストで利用可能ですが、大半が英検1 day S-CBTを受ける見通しです。

でも、なんで予約金が必要なの?

英検1 day S-CBTは、2020年度に向けて準備をしているところです。

HPによると、全国186地域に260のテストセンターを設置する予定です。

30-50万人が英検を受ける見込みと言われています。260のテストセンターで、受験生をさばききれるのか?という疑問も上がっています。

高校単位で受けられる、あの試験が有利とかいう噂もありますが、英検協会としては、ビジネスチャンスでもある一方、大人数の受験者への適切な対応を求められています。

会場の確保、複数回準備できるような配慮、試験監督や採点員の確保などです。

の必要性から、受験者数を把握するために、事前予約という制度をとったものと思われます。

では、なんで予約金が必要なの?という疑問がわきますが、これはおそらくドタキャン禁止のためだと思います。

「英検の予約したけれど、やっぱり別の試験にするから英検受けるのやーめた」という人が多数でたら、いくら受験生の自由とは言え、用意した会場や人員などが無駄になると思います。

もちろん予約金は受験料の中に含まれることになっています。英検協会としては、「受験するなら、予約金払っても問題ないよね」という感じで設定したものと思われます。

でも、受験生からしたら

英検受けるって決めたわけじゃあないのに、予約金って何

となるのはうなずけます。

現在、英検協会では予約時期について、受験生の都合に合わせた変更を検討しているようですが、予約金については変更する予定は無いようです。

 

大学入学共通テストにおける英語民間試験の問題点はまだある?

2020年度から導入される、共通テスト向けの英語民間試験ですが、TOEICの撤退に続いて、今回の予約金と、受験生から見るとうれしくない話が続いています。

これまでも、大学入試に英語民間試験を導入することは、「民間業者との癒着」を危惧する声や、「公平公正性の確保が無い」問題点など、さんざん批判されてきました。

英検にせよ、なぜか高校単位の受験が認められたGTECにしても受験生よりも、特定の業者の利益や省庁の利権の方が大事なんじゃないのかという、空気がぬぐえません。

つい先日も、有識者8000人の署名を従えた中止の請願書が衆参両院に提出されました。

英語はとても重要な教科ですし、学びです。受験生が気持ちよく前向きに勉強し、受験できるようなシステムになるよう、今後の改善を期待します。

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