さて、自習状態が続いていますね。
今日は中学3年の数学、因数分解を取り上げます。公式や因数分解の解き方の簡単な方法を問題を解きながらマスターしていこう!

因数分解の解き方1:共通因数をくくりだす簡単な方法
問題
次の式を因数分解しなさい。
1)2ax+8a
2)3x2+6x
まずは、共通な因数をくくる問題です。
多項式の各項に共通している因数を見つけてくくります。
2x+8を2でくくって2(x+4)という風に計算したのと同じです。
1)の場合、共通している「2a」でくくります。
2ax+8a=2a(x+4)
2)の場合、共通している「3x」でくくります
3x2+6x=3x(x+2)
ここで、注意したいのは
係数も一緒にくくることです
3x2+6x=x(3x+6)
は間違いになります。
共通因数でくくるのは、一番簡単な方法ですが
しっかりと「係数」を間違えないようにくくることが大切です。
因数分解の解き方2:和と差の積の公式を用いる方法
問題2
次の式を因数分解しなさい。
3)x2-16
4)x2-9y2
3)、4)どちらも、2乗引く2乗の形になっています。
3)ではxの2乗と2の2乗の差です
4)ではxの2乗と3yの2乗の差です
このような式の場合、和と差の積の公式を使います。
和と差の積の公式
x2-y2=(x+y)(x-y)
この公式を使うと
3)はx2-16=(x+4)(x-4)
4)はx2-9y2=(x+3y)(x-3y)
と因数分解できます
このパターンの因数分解を解くときのポイントは
自然数の2乗になる数(平方数)をしっかり覚えておくことです
4,9,16,25,36,49,64,81,100が平方数です
1×1=1 6×6=36
2×2=4 7×7=49
3×3=9 8×8=64
4×4=16 9×9=81
5×5=25 10×10=100
すこし応用問題になりますが、
4x2-25a2を因数分解するときは
4が2の2乗、25が5の2乗であることが分かれば
4x2-25a2=(2x+5a)(2x-5a)
というふうに、簡単に因数分解ができます。
繰り返しますが
平方数をしっかり覚えておくことが大切です。

因数分解の解き方3:和の平方・差の平方の公式を用いる方法
問題3
次の式を因数分解しなさい。
5)x2+4x+4
6)x2-8x+16
7)x2-6x+9y2
今度は、項が3つある式になります。
5)を見てみます。
一番右の項は4で、2の2乗です
この場合、和の平方の公式が使えます
展開の時、和の平方の公式で
(x+a)2=x2+2ax+a2
という公式がありました。
この和の平方の式を用いると
5)の式の場合、a=2となることが分かります。
5)x2+4x+4=(x+2)2
になります
6)の式の場合、一番右の項は16で、4の2乗です。
(x+a)2=x2-2ax+a2
という差の平方の公式を見ると、a=4となることが分かります。
6)x2-8x+16=(x-4)2
になります
7)の式の場合はすこし難しくなります。
一番右の項は9y2で、3yの2乗になります。
この場合は、和の平方の公式の
aに3yを代入します。
7)x2-6x+9y2=(x+3y)2
になります。
このパターンも、係数が平方数であることを見破れば簡単に因数分解ができます。
因数分解の解き方4:x+aとx+bの積の公式を用いる方法
問題4
次の式を因数分解しなさい。
8)x2+5x+6
9)x2+7x-8
10)x2-6x+8
今度は平方数は見つかりません。
このように
x2+〇x+△
の形の式の場合は展開の公式
(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
を利用して考えます。
和(a+b)が〇、積(ab)が△の組み合わせを探します。
8)の場合、和が5、積が6の組み合わせは
2と3になり、a=2、b=3を代入します。
8)x2+5x+6=(x+2)(x+3)
となります。
同様に9)の場合、和が7、積が-8の組み合わせは
8と-1になり、aに8、bに-1を代入します。
9)x2+7x+6=(x+8)(x-1)
となります。
10)の場合、和が-6、積が8の組み合わせで、ちょっと難しそうですが、
-×-=+ を思いつけば、
-2と-4の組み合わせが思いつきます。
aに-2、bに-4を代入します。
10)x2-6x+8=(x-2)(x-4)
となります。
この方法で考えると
5)x2+4x+4の式も和が4、積が4の組み合わせ
となり、2と2の組み合わせになります。
a、b両方に2を代入することになり、
x2+4x+4=(x+2)(x+2)=(x+2)2。
と解くこともできます。

因数分解の解き方5:共通因数をくくりだしてから公式を用いる方法
基本の因数分解の解き方を見てきました。
今度は少し応用した問題を見てみます。
問題5
次の式を因数分解しなさい。
11)2x2-18
12)3x2+12x+12
13)2x2+2x-4
11)は、2乗引く2乗の公式を使えそうですが、
係数が2乗(平方数)ではありません。
解けないよ!先生が問題を作り間違えたのかな?
と思ってしまいますが、
こういう時は共通因数をくくりだす
ことを思い出しましょう。
11)の式は、2でくくれます
2x2-18=2(x2-9)になります。
かっこの中は、2乗引く2乗になっています。
和と差の積の公式を使って
2x2-18=2(x2-9)=(x+3)(x-3)
になります。
12)の式も同じように共通因数の3でくくると。
3x2+12x+12=3(x2+4x+4)
になり、かっこの中は平方の和の公式が使えます。
12)3x2+12x+12=3(x2+4x+4)=3(x+2)2
になります。
13)の式も共通因数の2でくくると。
2x2+2x-4=2(x2+x-2)
になり、かっこの中を和が-1、積が2の組み合わせを考えて解くと
13) 2x2+2x-4=2(x2+x-2)=2(x-2)(x+1)
になります。
慣れないと、戸惑いますが
共通因数をくくりだしてから考えれば、簡単にできます。

因数分解の解き方6:置き換えを使った因数分解
問題6
次の式を因数分解しなさい。
14)(x+2)2-y2
15)(x-2)2+6(x-2)+9
16)(a-2)2+3(a-2)-40
こういう複雑な式の場合は、
置き換えることで簡単な式にしてから
因数分解します。
14)は、x+2をAとおいてみます。
すると、
(x+2)2-y2=A2-y2
と置き換えられます
すると、和と差の積の公式を用いて。
(x+2)2-y2=A2-y2=(A+y)(A-y)
となります。
でも、ここで終わりにしてはいけません。
最後に、Aをx+2に戻しましょう。
14)(x+2)2-y2=A2-y2
=(A+y)(A-y)=(x+y+2)(x-y+2)。
となります。
15)は、x-2をAとおいてみます。
すると、
(x-2)2+6(x-2)+9=A2+6A+9
になります。
和の2乗の公式になるので
15)(x-2)2+6(x-2)+9=A2+6A+9
=(A+3)2=(x-2+1)2=(x-1)2
となります。
16)は、a-2をAとおいてみます。
すると、
(a-2)2+3(a-2)-40=A2+3A-40
になります。
和が3で積が-40の組み合わせを考えて
8と-5の組み合わせになります。
16) (a-2)2+3(a-2)-40=A2+3A-40
=(A+8)(A-5)=(a-2+8)(a-2-5)
=(a+6)(a-7)
となります。
複雑な式でも置き換えることで
簡単に因数分解をできます。
置き換えた後、戻すのを忘れないのも重要です。
因数分解の解き方・簡単な方法のまとめ
因数分解の解き方、簡単な方法と公式についてみてきました。
まとめると
・まずは共通因数をくくりだす
・平方数があったら、2乗引く2乗の公式
・3つの項の式で右端が平方数なら、和の2乗か差の2乗の公式
・平方数が無いときは、和と積の組み合わせを考える
・共通因数をくくってから因数分解の公式を使う
・複雑な式の場合置き換えて簡単な式にする。
ということになります。
このポイントを覚えて、因数分解をマスターしましょう!
因数分解は次の2次方程式でも使いますので大事です!

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