今日は数学Aの場合の数の解き方を極めよう!その1です。
場合の数や確率の問題は、文章を読んで、そこから解き方のパターンを見つけます。
自分なりの解き方のスタイルを身につけることが、場合の数マスターになるためのポイントです。
今日は、硬貨の問題の解き方を解説していきます。

数学A場合の数の解き方:硬貨の問題その1
それでは、問題を解きながら見ていきましょう。
問題
次の硬貨を全部または一部を使ってちょうど支払できることができる金額は何通りあるか?
1)10円硬貨5枚、100円硬貨3枚、500円硬貨2枚。
硬貨の問題の場合、
まずは、それぞれの硬貨の選び方を考えます。
この問題の場合は
10円玉の選び方:
0枚1枚2枚3枚4枚5枚の6通り
100円玉の選び方:
0枚から3枚で4通り
500円玉の選び方:
0枚から2枚で3通り
この3つの硬貨を使う組み合わせは
6×4×3=72通り
と計算できます。
しかし、この時、
「すべて0枚」という選び方が1つあります。
したがって、3つの硬貨を使って支払うことのできる金額の組み合わせは
6×4×3-1=71通り
となります。

数学A場合の数の解き方:硬貨の問題その2
次に、この問題を解いてみましょう。
問題
次の硬貨を全部または一部を使ってちょうど支払できることができる金額は何通りあるか?
2)10円硬貨2枚、50円硬貨3枚、100円硬貨4枚。
この問題を1)と同じように解くと。
10円の選び方3通り、
50円の選び方4通り
100円の選び方5通りなので
3×4×5-1=59通り
となります、しかし、間違いです
この問題が1)と違うのは重複があることです。
例えば、50円を2枚選んでも
100円を1枚選んでも同じ100円です。
また50円3枚+100円1枚と
50円1枚+100円2枚の組み合わせ
どちらも250円で同じです。
このような重複は
10円玉が5枚以上あるとき、50円玉もある
50円玉が2枚以上あるとき、100円玉もある
100円玉が5枚以上あるとき、500円玉もある
ときに起こります。
小さなお金の枚数で、
大きなお金1枚分の金額を作ることができる
こういう時に重複が起こります。
重複がある場合はどのように解いたらいいでしょうか?
1.とにかく数える
中学校の時は数え上げていましたね。
場合の数でもそれほど複雑でない場合は
迷わず数え上げるのが一つの手段です。
50円硬貨3枚、100円硬貨4枚で払える金額
0円 1枚も選ばない
50円 50×1
100円 100×1
150円 100×1 50×1
200円 100×2
250円 100×2 50×1
300円 100×3
350円 100×3 50×1
400円 100×4
450円 100×4 50×1
500円 100×4 50×2
550円 100×4 50×3
この12通りです。
50円硬貨3枚、100円硬貨4枚あると
最大で550円払えます。
0円から550円まで、
50円刻みで払う金額を作れることが分かります。
したがって
50円と100円の選び方:
12通り
10円の選び方:
0枚から2枚で3通り
この3つの硬貨を使う組み合わせは
12×3-1=35通り
になります。
数学A場合の数の解き方:硬貨の問題その3
50円硬貨3枚、100円硬貨4枚では
払える金額が重複します。
その場合の解き方として
とにかく数え上げる
方法で解いてみました。
それ以外の方法はないのか?
という質問が聞こえてきますので
数え上げない方法を説明します。
50円硬貨3枚、100円硬貨4枚あると
0円から550円まで、
50円刻みで払う金額を作れることが分かりました。
実は、50円玉11枚でも同じ払い方ができます。
0枚なら0円、1枚で50円、2枚で100円
・・・10枚で500円、11枚で550円
と、同じ12通りの払い方ができます。
これは、
100円を50円2枚と考えても
同じ払い方が作れる
事を示しています。
重複している場合は、小さい額の硬貨に置き換えて解く。
これが数え上げない解き方です。
10円硬貨2枚、50円硬貨3枚、100円硬貨4枚
を使って払うことのできる金額は、
100円1枚を50円2枚に置き換えると
10円硬貨2枚、50円硬貨11枚
を使って払うことのできる金額に
変えることができます。
10円の選び方:
0枚から2枚で3通り
50円の選び方:
0枚から11枚で12通り
この2つの硬貨を使う組み合わせは
12×3-1=35通り
になります。

数学A場合の数の解き方:硬貨の問題その4
硬貨の問題の場合、重複すると工夫が必要なことが分かりました。
それでは、もうすこし問題にチャレンジしてみましょう
問題
次の硬貨を全部または一部を使ってちょうど支払できることができる金額は何通りあるか?
3)10円硬貨5枚、100円硬貨5枚、500円硬貨2枚。
今度は、100円と500円が重複しています。
この場合は、500円を100円5枚に置き換えます。
10円5枚、100円15枚と置き換わります。
10円の選び方:
0枚から5枚で6通り
100円の選び方:
0枚から15枚で16通り
この2つの硬貨を使う組み合わせは
6×16-1=95通り
になります。
次の硬貨を全部または一部を使ってちょうど支払できることができる金額は何通りあるか?
4)10円硬貨2枚、50円硬貨3枚、
100円硬貨4枚、500円硬貨1枚。
今度は、50円と100円と500円が重複しています。
この場合は、一番小さい硬貨に合わせます。
100円を50円2枚に
500円を50円10枚に置き換え
ます。
すると、
10円2枚、50円21枚に置き換わります。
10円の選び方:
0枚から5枚で3通り
50円の選び方:
0枚から21枚で22通り
この2つの硬貨を使う組み合わせは
3×22-1=65通り
になります。

数学A場合の数の解き方:硬貨の問題まとめ
今日は数学Aの場合の数の硬貨の問題の解き方についてみてみました。
それぞれの硬貨を0枚からX枚選ぶ場合の数を求め、それを掛け合わせて求めます。
ただし、問題によっては
すべて0枚という選び方が1通りできるので
それを引く。
重複する場合は、
小さい硬貨に置き換える
ことをする必要があります。
このように、独立した事象を、確率ではなく
「集合の要素」で考えることもできます。
中間試験で硬貨の問題が出ても、楽勝!
になれましたか?
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