新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が長期化したため、東京都教育委員会は来春の都立高校の入試で出題範囲から除外する内容を公表しました。
三平方の定理が~とネットでは盛り上がっていますが、出題範囲から除外される内容が、入試や中学校の学習にどのような影響があるでしょうか?解説してみました。
都立入試出題範囲除外の影響:国語は影響ない?
まず、国語から見てみます。
国語は3年生の教科書で学習する漢字が除外になります
国語の入試問題は、
漢字の読み5問(10点)
漢字の書き5問(10点)
物語的文章読解(25点)
論理的文章読解(20点)
作文(10点)
古典を題材にした
論理的文章読解(25点)
になります。
ここで、直接的に関係あるのは
漢字の読み書き問題です。
ここに、中3で習う範囲の漢字が出てきません。
とはいっても漢字の読み書きは、みんなしっかり勉強するので、範囲が狭まってもあまり影響ないと思います。
また、読解問題・作文にはもちろん影響はありません。
国語は漢字も大事ですが、
文章を読んで内容を理解する読解力
内容について思考する力
自分の考えを表現する力
これが重要です。
漢字の出題範囲が狭くなっても
影響は少ないと思います。
都立入試出題範囲除外の影響:英語は問題文が簡単になる?
次に、英語を見てみます。
英語は3年生で学習する関係代名詞の一部が除外になります
英語の入試問題は、
リスニング(20点)
図や表を題材とした
会話文読解(12点)
条件付自由英作文(12点)
会話文(28点)
物語の長文読解(28点)
になります。
関係代名詞の一部が除外
ということですが、
主格のwho、which、thatはやって
目的格のwhich、thatはやらない
という事なのでしょうか?
都立高校入試の場合、中学校の定期試験と違って文法問題はないので、影響はほとんどないと思います。
それに単語はちゃんと覚えるのは変わりません。
ただ、出題される文章が関係代名詞を使わない文章になると思います。
その分簡単な文章になる可能性はありますね。
もし、自由英作文を書くときに、範囲外の関係代名詞を使って書くと減点になったりしたら大騒ぎですね。
都立入試出題範囲除外の影響:数学は影響大きい?
次に、数学を見てみます。
数学は3年生で学習する3平方の定理と標本調査が除外になります
数学の入試問題は、
数・式の計算、方程式、確率、図形、作図
などの基礎問題(46点)
図形や規則性を題材にする思考力問題(12点)
1次関数か2次関数(15点)
平面図形・証明付き(17点)
立体図形(10点)
になります。
3平方の定理と標本調査が除外
ということですが、
新しく学習内容に入ってきた標本調査は
どのような問題をどこに出すのか?
と思っていましたが、とりあえず次の年以降ですね。
そして、3平方の定理
これは、図形の問題全体に影響が大きいですね。
平面図形・立体図形の問題は
合同、相似、平行線、3平方の定理
を組み合わせて解く問題です。
過去の図形の問題では
必ず3平方の定理を使って解く問題がありました。
3平方の定理を使わないとなると、図形の問題にかなり制限ができてきます。
12月までのVもぎ、Wもぎのような問題です。
範囲に制限があると、難問を作ろうとしたときに
悪問になってしまう恐れがあります。
そっくり模試なら良いですが、本番で悪問は・・ですね。
ちなみに
中学校で3平方の定理を勉強しないのはけしからん!。
という意見が広がっているようですが、
あくまでも
入試範囲から除外ですが
学校では勉強するはず
です。
都立入試出題範囲除外の影響:理科社会は楽になる?
次に、理科・社会を見てみます。
理科は3年生で学習する力学的エネルギーなどが除外になります
理科の入試問題は、
3年間で習う
物理・化学・生物・地学の内容が
・小問集合
・自由研究のレポートを読んで解く問題
・実験と結果から解く問題
にちりばめられて、
いろいろな分野が
バランスよく出される問題
になります。
そのうち、仕事・運動エネルギーの部分が出なくなるということです。
もしかすると、月や金星・火星も除外かもしれません。
でも、苦手な人が多い
・電気
・天気
・人体
は出るので、あまり楽にはならないですね。
社会は3年生で学習する公民的分野の一部が除外になります
社会の入試問題は、
・小問集合、地図の読み
・日本地理
・世界地理
・歴史
・公民
・地理歴史と公民の融合
という感じになります。
公民の1部を除外ということは、政治の部分が除外ということでしょうか?
範囲が少し狭まるので、その分楽かもしれませんが
クイズ的な問題や完答問題がさらに増えるかもしれません。
都立入試出題範囲除外の影響:独自作成校や私立は?
ここまで、都立入試の問題の範囲除外の影響について、共通問題を例に見てきました。
都立上位校のような独自作成問題はどうでしょうか?
範囲が狭まるのは同じなので共通問題と同じだと思います。
ただし、共通問題よりも難易度を上げる時に
・数学で3平方の定理を使わなかったり
・関係代名詞の利用に制限があったり
すると、作りにくそうな気がします。
受験生目線でいうと
当たり外れの大きい問題
になる可能性があります。
私立高校はどうでしょうか?
中学入学組との差をなるべくつけたくないでしょうから、おそらく範囲を狭めることはしないと思います。
ただし、同調圧力で、範囲を狭める可能性はありますね。
いずれにせよ、今年の入試は
私立の高入の入試は敬遠されるかもしれません。
都立上位校受験組は、大学受験まで考えると悩みどころですね。
都立入試出題範囲除外の影響:まとめ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が長期化したため、東京都教育委員会は来春の都立高校の入試で出題範囲から除外する内容を公表しました。
ネットでは、
「コロナゆとり」
「高校での勉強に影響大きい」
なんていう意見も出ていますが
あくまでも、試験範囲から除外で、
中学校では勉強すると思います。
おそらく、卒業式をずらして、
3月に高校との接続教育ということで
3月に勉強することになると予想します。
今年の中3生は大変ですが、条件はみんな一緒
あまり惑わされないようにしましょう!。
コメント