都立高校入試のポイント理科の傾向と対策:物理編
「英数国の1点も、理社の1点も同じ1点」
ということで、今日は理科の対策として、苦手な人も多い物理分野について少し詳しく見てみます。
A。光と音、力と圧力
凸レンズの軸に( あ )に進む。

2.物体を凸レンズを使ってスクリーンに像を作った
実像の大きさが物体の大きさと同じとき
物体と凸レンズの距離は、焦点距離の( い )倍である。
スクリーンにできる像は元の像と比べて、
上下は( う )、左右は( え )になる。

あ 並行
都立入試の場合には文章で表現される場合多いので
「レンズの軸に平行に進む」
という表現、覚えておきましょう
い 2倍
1倍ではなく2倍なので注意しましょう
像が焦点の位置にあった時は「像は見えない」です。
これも一緒に覚えておくと良いです。
う 逆
え 逆
実像は上下左右逆に映りますね。
この問題のように、上下と左右を別に分けられて
どっちも逆だったっけ??と迷わないようにしましょう。
物体を凸レンズに近づけると実像は大きくなる
も忘れずに。
問題
3.200Hzのオシロスコープの波形がAである。
BとCの周波数を答えなさい。
200 Hz
( お )Hz
( か )Hz
4.モノコードで、
弦を強く張ると音は( き )くなる
弦の長さを長くすると音は( く )くなる
お 100
か 400
波の周期(幅)が短いと振動数Hzは大きくなります。
Hzの値が大きいほど「高い音」になりますね。
中学生だと18000Hzくらいまで聞こえます。
お父さんお母さんは14000Hzくらいまでしかきこえません。
き 高く
く 低く
弦を強く張ると早く振動します。
弦を長くすると遅く振動します。
問題
5.0.4Nの重りをつるすと2cm伸びるばねがある。
このばねに、0.9Nの重りをつるすと( け )cm伸びる。
このばねを10cm伸ばすには( こ )Nの重りが必要。
6.底面積が200cm2で、質量2.4Kgの物体がある。
物体が床を押す力は( さ )Nである。
物体が床に与える圧力は( し )Paである。
け 4.5cm
こ 2.0N
ばねにつるす重りの重さと
ばねの伸びは比例関係にありますね。
比例のグラフを書いたり、選んだりする問題もありますので
チェックですね、
さ 24N
し 1200Pa
100gの物体が床を押す力が1Nです。
1Paは、1m2に1Nの力が加わった圧力です。
1N/1m2(1N/10000cm2)です。
しは200cm2=0.02m2に24Nの力が作用するので
24÷0.02=1200N になります。
重さを面積で割ると求められます。
7.空気中で重さが10Nの物体を水中に完全に沈めて
ばねばかりの重さをはかると7Nだった。
この物体に働いた浮力は( す )Nである。
8.高さ10cmの物体を水中に5cm沈めると2Nの浮力が働いた。
この物体を完全に沈めると物体に浮力は( せ )N働いた。
さらに、深く沈めると物体にかかる浮力は( そ )
す 3N
重さとばねばかりの値の差10-7=3N分が浮力ですね。
せ 4N
そ 変わらない
物体を半分沈めて2N、なら全部沈めたら2倍の4Nになります。
完全に沈めた物体をさらに深く沈めても浮力は変わりません。
深く沈めると浮力が減るような勘違いをしそうですが、
深く沈めても浮力は変わらないので要注意です。
B。電気回路・抵抗・電力
問題
電圧計は測りたい部分に( た )につなぎ、
電流系は測りたい部分に( ち )につなぐ
10. 10Ωの抵抗が2つある。
2つを直列につないだ時、回路全体の抵抗は、
( つ )Ωになり、この回路に2Vの電池をつなぐと
回路全体の電流は( て )Aになる。
11. 10Ωの抵抗が2つある。
2つを並列につないだ時、回路全体の抵抗は、
( と )Ωになり、この回路に2Vの電池をつなぐと
回路全体の電流は( な )Aになる。

9.電流計は直列に、電圧計は並列につなぎます。

10。直列に抵抗をつないだ場合、抵抗の合計は足した値になるので、
10+10=20Ω
2Vの電池をつないだら 2=20×I
I=0.1A
11. 並列に抵抗をつないだ場合の合成抵抗は、
公式を使って解く必要が有りますが、
2つの抵抗の値が同じときには裏技があります。
同じ値の抵抗を並列つなぎをすると抵抗の値は半分
これ、覚えておくと得です。
この問題の場合、10Ωの抵抗を並列つなぎしているので
合成抵抗は半分の5Ωになります。
2Vの電池をつないだら 2=5×I
I=0.4A
問題
12. 20Ωの抵抗Aと30Ωの抵抗Bがある。
下の図のようにそれぞれに3Vの電源をつないだ時
発熱量が多いのは抵抗( に )である。

13. 20Ωの抵抗Aと30Ωの抵抗Bがある。
下の図のように直列につなぎ3Vの電源をつないだ時
発熱量が多いのは抵抗( ぬ )である。

14. 抵抗の大きさ・発熱量と「電圧」「電流」の関係について説明した文で正しいのはどれか?2つ選びなさい
a.電流が一定なら抵抗が大きい方が発熱量が大きい
b.電流が一定なら抵抗が小さい方が発熱量が大きい
c.電圧が一定なら抵抗が大きい方が発熱量が大きい
d.電圧が一定なら抵抗が小さい方が発熱量が大きい
12,13,14
抵抗の発熱の問題です
発熱量=電流×電圧×時間です
ここで、電圧=抵抗×電流を使うと
=電圧×電圧÷抵抗×時間
の2つの式で表せます。
この式から、
・電圧が同じ場合、抵抗が小さいほど発熱量が大きい
事が分かります。
12.は電圧の値が同じなので、抵抗が小さいBの方が発熱量が大きい
13.は電流の値が同じなので、抵抗が大きいAの方が発熱量が大きい
事になります。
14.はa.とd.が正解ですね。
問題
15. 3Ωの抵抗に、4Aの電流を流した。
この時の抵抗の電力は( ね )Wである。
16. 3Ωの抵抗に、4Aの電流を10分間流した。
この時の抵抗の電力量は( の )Jである。
答え
電力量=電流×電圧×時間
です。
同じように電圧=抵抗×電流を使うと
電力量=抵抗×電流×電流×時間
になります。
・電圧と電流から電力量を求める場合
・電流と抵抗値から電力量を求める場合
どちらでも答えられるようにしましょう!
15 3×4×4=48(W)
16 3×4×4×10×60=28800(J)
になります。
電力量の時間は秒であることに注意です。
C。電磁気・電界・磁界・誘導電流
問題
17. 下のコイルに電気を流したところ、
Aの位置の方位磁針は図のような方向を示した。
B、Cの位置の方位磁針の向きを答えなさい。
18.その時、電流の流れる向きは①、②のどちらか?
答え
17。Aの位置の棒磁石の向きから、
コイルの左がN極、右がS極と分かります。
Cの位置はAと同じ向きになります。
磁力線はN極からS局に向かうので
Bの位置の方位磁石は、A、Cとは逆向きになります。
18. コイルの磁界の向きと電流の流れる向きを考えるには、
右ねじの法則で、右手を使って考えればOKです。

左がN極なら右手の親ゆびを左に向けて
指の丸まった方向に電流が流れます。
この場合①の方向に電流が流れています。
もし、右がN極なら
親指の向きが逆になり、
指の曲がる方向も逆になるので
②の方向に電流が流れます。
問題
19.次に、このコイルに棒磁石のS極を近づけた。
この時コイルのAの位置はN極、S極どちらになるか?
20. その時、コイルに流れる電流の向きは①、②のどちらの方向か?
電磁誘導の問題です。
棒磁石を近づけると、コイルはその磁界に反発するように磁界を作ります。
N極を近づけると、コイルの端はN極
S極を近づけると、コイルの端はS極
になります。
この問題の場合、S極を近づけていますので
Aの位置はS極になります。
Aの位置がS極ということは、反対の右がN極です。
右ねじの法則で電流の流れる方向は②になります。
問題
21. 今度は磁石を遠ざけた。
この時コイルのAの位置はN極、S極どちらになるか?
22. その時、コイルに流れる電流の向きは①、②のどちらの方向か?
棒磁石を遠ざけると、
コイルはその磁界を引き付けるように磁界を作ります。
遠ざけると引き付けようとします
すごいツンデレですね。
N極を遠ざけると、コイルの端はS極
S極を遠ざけると、コイルの端はN極
になります。
この問題の場合、S極を遠ざけていますので
Aの位置はN極になります。
右ねじの法則で電流の流れる方向は①になります。
問題
23. 最後に、棒磁石をS極側からコイルの中を通過させた
棒磁石がコイルを通過したあと、磁石がコイルから遠ざかっていくときの電流の向きは、①、②のどちらか?

棒磁石がコイルを通過して遠ざかるときは
N極が遠ざかっていくので、コイルの右がS極になります。
コイルの左がN極なので、右ねじの法則より電流の流れる向きは「①」。
問題文が少しややこしくなりましたが、
棒磁石がコイルの中を通過するような設定の問題は大事です。
ちなみに、棒磁石をS極側からコイルの中を通過させたときの
電流の動きは
「始めは②の方向、から一旦流れない状態になり①の方向」
と変化します。
最後に大事なポイント
誘導電流を大きくする
(検流計の振れ幅を大きくする)方法
1.コイルの巻き数を増やす
2.磁石を磁力を強くする
3.コイルの系を細くする
4.磁石を速く上下させる
これもしっかりと覚えておきましょう!
D。電磁力;電流が磁界から受ける力
問題
24. 下の図のようなコイルとU磁石を使った装置を設定した。
電流を矢印の向きに流したとき、コイルはA、Bどちらの方向に動くでしょうか?

これは、フレミングの左手の法則で考える問題ですね。
電流・磁界・力の向きが、互いに垂直に交わり
左手の中指・人差し指・親指の関係になる
という法則です。
中指から「電・磁・力」と覚えると学校でも習ったと思います。
この図の場合、
・電流が左向き
・磁力が上向き
なので
左手の法則より、力はBの方向になります。

問題
24. 下の図のように、金属のレールを2つ並べ、
間に磁石を置き金属棒をレールの上に置いた。
電源装置で電流を流したところ、鉄棒が左側に動いた。
この時、磁石の上の面はN極、S極のどちらか?

同じように、フレミングの左手の法則で考える問題ですね。
今度は、
電流は+極から-極に流れるので右上方向
力は左方向
なので、磁力は下向き
よって、磁石の上の面はS極になります。

ここで、おまけポイント
・コイルの動き(振れ幅)を大きくする
・鉄棒を早く動かす
1.磁石を磁力を強くする
2.電流を大きくする
これもしっかりと覚えておきましょう!
都立高校入試のポイント・理科の傾向と対策:物理編まとめ
都立高校入試の理科について、物理分野ポイントを書いてきました。
物理分野は苦手な人が多いですが、
ここに書いた基本はしっかりとマスターしておきましょう!

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