こんちは、今日は東京の都立高校に設定されているチャレンジスクールについてみていきたいと思います。
東京都内に、都立桐ヶ丘高校、世田谷泉高校、大江戸高校、六本木高校、稔ヶ丘高校の5校と、八王子拓真高校のチャレンジ枠があります。また、足立区にも作られる予定になっています。
チャレンジスクールってどのような学校なのでしょうか?どのような人に向いているのでしょうか?見ていきます。

チャレンジスクールとは?
チャレンジスクールは、小・中学校時代に不登校経験を持つ生徒や長期欠席等が原因で高校を中途退学した者等を主に受け入れる総合学科です。
不登校経験の生徒、中途退学でもう一度勉強しなおしたい生徒だけではなく、マイペースで勉強がしたい人、定時制に通いたいが昼間の時間に学びたい人など様々な生徒がいます。
午前部・午後部・夜間部の3部制の高校で単位制の総合学科となっています。生徒は、午前(1部)・午後(2部)・夜間(3部)のいずれかに入ります。
通常は4年間で卒業ですが、1部の生徒は2部の、2部の生徒は1部または3部の、3部の生徒は2部の授業を取ることで、3年間での卒業も可能になっています。
総合学科の高校なので、英数国などの基本科目に加えて、
各学校に設けられた
「情報デザイン」「生活福祉」「人間環境」
「ビジネスコミュニケーション」「創作表現」
など、自分の進路に合わせた専門的な内容も勉強します。
自分のペースで、自分の将来にあった科目を勉強しながら、未来へチャレンジしていく高校です。
チャレンジスクールの授業はどんな感じ?
チャレンジスクールは単位制の高校なので、授業は、必修科目に加えてたくさんの選択科目が用意されています。
学校の先生やスクールカウンセラーの人と相談しながら、自分の時間割を作っていきます。
小中学校で、あまり学校に通えなく、中学校までの内容が理解できない人もいるので、数学・英語・国語は習熟度別授業になっています。
学校によっては「わかる数学」「わかる英語」「わかる国語」といった、より基礎的な内容から始める授業も用意されています。
選択科目は、どの高校も「系列」に分かれていますが、その系列に所属するわけではなく、いろんな系列から授業を選ぶことが出来ます。
例えば情報系列の「コンピューターグラフィックス」と生活福祉系列の「保育音楽」の両方を勉強することもできます。
もちろん、大学進学を目的とした授業もあります。
「英語表現II」「数学III」「政治・経済」など、大学を一般受験するために必要な科目もしっかりと用意されています。
少人数での授業になるらしく、とても密度の濃い授業になるそうです。
生徒の男女比についても見ておきます。
・六本木と大江戸は女子が多め(約1:2)
・稔ヶ丘・世田谷泉は男子がやや多め
・桐ヶ丘は女子がやや多め
という感じです。
これも、学校を選ぶ時の参考になるかと思います。

チャレンジスクールの卒業後の進路はどんな感じ?
チャレンジスクールの卒業後の進路はどうでしょうか?見てみました。
学校によって多少の差がありますが
大学 15~25%
短大 5~10%
専門学校 20~30%
就職 25~35%
といった感じです。
チャレンジスクールの場合、大学進学を重視したりはしません。
あくまでも、「自分の進路」を目指すような進路指導をしています。
国公立大学や難関私大に進学している卒業生もいますが、その人はマイペースに受験勉強をした結果なのでしょう。
また、各学校とも、大学に指定校推薦の枠を持っていますので、しっかり授業を聞いて良い成績を取っていれば、指定校での大学進学も可能です。
また、4年制の高校ですが、7割くらいの生徒は3年で卒業しているようです。

チャレンジスクールの入試:倍率・偏差値は?
チャレンジスクールの入試についてです。
チャレンジスクールは、学力試験が無く、内申の調査書も必要ありません。
入試の偏差値・内申のめやすはありません。
チャレンジスクールの場合、「これまで」よりも、「これから」を重視するので、内申や学力試験はしません。
その代わり、「作文」と「面接」の試験があります。
作文のテーマは、学校によって異なりますが、自分の意見を書くことが求められます。
最近の試験問題は
①過去のうまくいかなかった経験 ②うまくいかなかった原因 ③その経験から学んだこと(401 字以上500 字以内・句読点も一字と数える)
<注意>経験は、小学生や中学生の頃の実生活だけでなく、インターネット上のことなども含みます。(六本木高校)
「自立」
この言葉について、あなたの考えを述べなさい、また、その考えをいかして、稔ヶ丘高校でどのような高校生活を送りたいか述べなさい。字数は501文字以上600文字以下です。
(稔ヶ丘高校)
この調査で「テレビ」が1位になったのは、なぜだと思いますか。他のメディアと比較してあなたの考えを述べなさい。
また、この結果を踏まえて、情報化社会に対応するために大江戸高校であなたはどのようなことに取り組み、どのような力を身に付けたいと思いますか。600 字程度で具体的に述べなさい。(大江戸高校)
このように、「自分の意見」を書いたり「入学後どのような高校生活生活を送りたいか」ということが聞かれています。
また、「面接」でも同様に、志望動機・入学後どのように高校生活を過ごしたいか?・卒業後の進路は考えているか?
といったことが聞かれます。
基本的には熱意と意欲を見ることになっています。
余り変なことは考えず、正直に答えれば良いような気がします。
さて、各高校の倍率ですが2021年度入試では
六本木 1.28倍
大江戸 1.11倍
世田谷泉 0.90倍
稔ヶ丘 1.18倍
桐ヶ丘 0.89倍
八王子拓真 1.27倍
となっていて、倍率で見ると、1倍を超えているところが多いです。
チャレンジスクールなんだから必ず受かるというわけではないのですね。
また、1部・2部・3部とありますが、1部2部が人気で3部が人気が無いそうです。
意欲があれば必ず受かるというわけでは無いようなので、
普通科や通信制などと比較しながらという感じなのでしょうか。

都立高校のチャレンジスクール:まとめ
都立高校のチャレンジスクールについてみてみました。
まとめとして
・小・中学校時代に不登校経験を持つ生徒や長期欠席等が原因で高校を中途退学した者等を主に受け入れる総合学科
・学力試験や内申書は必要なく、「作文」と「面接」で合否が決まる
・4年制であるが、3年で卒業する人が多い
・入試は1倍を超えているところも多く、必ず受かるわけではない。
ということが分かりました。
チャレンジスクール、不登校だったり、中退したりした人、グレて学校行かなかった人などが、高校からチャレンジしてやり直すという学校です。
個性ある生徒もたくさんいるそうです。
おそらく、「合う・合わない」がかなりはっきりしていると思います。
合う人には最高の環境でしょう。
でも、合わない人には「すぐにでも辞めたい」と思う環境かもしれません。
実際、中退して、通信制に変える人もいるようです。
しっかりと、学校見学をして、また、近くあるということでは選ばずに、複数から比較して決めた方が良いと思います。
都立のチャレンジスクール一覧
六本木高校
女子に人気、芸術文化・情報・保育ケアなどを学べる
東京メトロ「六本木」駅 徒歩7分
東京メトロ「麻布十番」駅 徒歩8分
大江戸高校
女子に人気 情報・伝統文化・生活福祉が学べる
東京メトロ「住吉」駅 徒歩15分
東京メトロ「東陽町」駅 徒歩20分
世田谷泉高校
元工業高校、制作技術・生活福祉・創作表現が学べる
小田急「千歳烏山」駅 徒歩15分
稔ヶ丘高校
情報デザイン・ビジネス・人間環境が学べる
「コーピング」という独自科目がある
西武新宿線「下井草」駅 徒歩7分
西武池袋線「富士見台」駅 徒歩15分
桐ヶ丘高校
情報ビジネス・福祉・アートデザインが学べる
前期後期の2学期制
JR「赤羽」駅 徒歩5分
八王子拓真 チャレンジ枠
普通科単位制の定時制
社会に出てから通用するマナーを身につけることを重視
「あいさつ」の指導・校則もしっかりしている。
JR「赤羽」駅 徒歩8分


コメント