もう、月曜から中間試験という高校もありそうです。
今日は、高校数学A、場合の数を取り上げます。
場合の数の問題では数字の書いたカードを並べる設定の問題がよく出ます。定期テスト、模試、入試の対策になるよう、まとめてみました。
がっちりマスターして、数字王になろう!
数字王への道1:「0」を含むカードで数字を並べる問題は要チェック!
数字の書いたカードを並べて数を作る問題、よくあります。
まずは、簡単な問題から見ていきます。
1,2,3,4,5と書いた札が1枚ずつある。
(1)3枚をとって並べて3桁の数を作ると何通りできるか?
(2)4枚をとって並べて4桁の偶数を作ると何通りできるか?
これなら簡単にできますね。
解答
(1)5×4×3=60 60通り
100の位、10の位、1の位と順にカードを引くと考えると、100の位、10の位、1の位と順に引けるカードの数は、5枚、4枚、3枚となるので順に掛け算するだけですね。
(2)2×4×3×2=48通り
この場合はまず、1の位から考えます。
1の位には2または4の2枚、1000の位は1枚引いた後の4枚、以下3,2となり、それを掛け算した数になります。
応用問題として、よくあるのは以下のようなケースです。
0,1,2,3,4,5と書いた札が1枚ずつある。
(3)3枚をとって並べて3桁の数を作ると何通りできるか?
(4)4枚をとって並べて4桁の偶数を作ると何通りできるか?
さっきと異なるのは0があることです。3桁の数、4桁の数、どっちを作る場合でも、1番大きい位には0は入りません。それによって解き方が少し複雑になります。
解答
(3)100の位、10の位、1の位と順にカードを引くと考える。
100の位には6枚のうち、0以外の5枚、
10の位には0も含めて5枚、
1の位に残りの4枚
となるので順に掛け算して求めます。
5×5×4=100 100通り
(4)
この場合は前の問題の偶数のときと同じで、1の位から考えます。
1の位には0,2,4の3枚が偶数として考えられます。ただし、ここでちょっと場合分けが必要になります。
0を引いた場合、
1000の位には残りの5枚から、
100の位は4枚から、
10の位は3枚から引く
ので1×5×4×3=60通りになります。
2,4を引いた場合、
1000の位には残りの5枚のうち0以外の4枚
100の位は0も含んだ4枚から、
10の位は3枚から引く
ので2×4×4×3=96通りになります。
二つを足して60+96=156通り
このように、数字の書いたカードを並べて数を作る問題の場合、カードに0が含まれていると場合の数を求める時に少し複雑になります。
いかにも試験に出そうな問題になります。
数字王への道2:並べた数字にこだわる問題も要チェック!
数字を並べて4桁の偶数を作るという問題を解きましたが、並べた数にこだわった問題もよくある問題です。見てみましょう
5個の数字1,2,3,4,5を1度ずつ使って3桁の整数を作る。次の様な整数はいくつ作れるか?答えなさい
(5)330よりも大きい数
(6)少なくとも1つ桁に1を含む数
解答
(5)100の位で場合分けして考えます。
あ)100の位が3の場合、
330以上なので
10の位は4,5の2通りです。
1の位は残りの3個からどれでもよい
よって1×2×3=6通り。
い)100の位が4,5の場合、
どの数字でも330以上ですので、
10の位、1の位に制限はなく
それぞれ、4通り、3通りになる。
2×4×3=24通り、
あ)とい)を合わせて30通りになる。
(6)1を含む整数を各位で場合分けすると
1×4×3=12通り・・100の位が1
4×1×3=12通り・・10の位が1
4×3×1=12通り・・1の位が1
合わせて36通り
このように、数字にこだわる問題は、
解く側もこだわって解きましょう。(笑)
(5)のように、並べた数字の大きさにこだわる場合は、1番大きな位の数にこだわります。
今回の問題は330より大きいだったので、実際には341以上の数が該当しました。
100の位が4,5の場合はすべてが当てはまりますが、100の位が3の場合は、当てはまらないものもありました。
そこをしっかりと見極めてこだわります。
(6)のように、並べた整数の中に含まれる数にこだわるような問題もあります。
この場合、特定の数がどの位に含まれるかで場合分けします。
(6)には、以下のような別解もあります。
(6)の別解は余事象を用いる考え方です。
1を含まない場合を考えて全体から引きます。
全体 5×4×3=60通り
1を含まない3桁の数字を作る場合、2,3,4,5の4枚で3桁の数字を考えればよいので、4×3×2=24通り
よって、1を含まないのは
60-24=36通り
別解のように全体から「含まない」場合を引いて求めるという解き方もあります。実は、こっちの方が確実な解き方になります。たとえば以下のような問題の場合は「含まない」を考えた方が早いです。
(7)3桁の整数のうち、少なくとも1つの桁に1を含むものはいくつあるか?答えなさい。
「含まない」で解く場合
3桁の数は全部で900個。
1を含まない数は100の位は0,1以外の8通り、10の位と1の位は1以外の9通り
8×9×9=648個
よって、1を含む数は900-648=252個
「含む」で解く場合
100の位に1を含む場合:10の位、1の位は何でもよいので
1×10×10=100個
100の位に1を含まず、10の位に1を含む場合:100の位は0,1以外、1の位は何でもよい
8×1×10=80個
1の位にのみ1を含む場合:100の位は0,1以外、10の位は1以外
8×9×1=72個
3つを足して100+80+72=252個
どちらでも解くことはできますが、「含まない」場合で解いた方が計算間違いをする可能性が低くおススメです。
数字王への道3:さらに数字にこだわった問題にもチャレンジ
数字を並べる問題は、作る人がこだわることでさらにいろいろと面白い?解きにくい?問題にすることができます。
こういう問題もあります。
5個の数字1,2,3,4,5を1度ずつ使って3桁の整数を作る。
(8)3の倍数になるものは何通りか?
(9)9の倍数になるものは何通りか?
(10)6の倍数になるものは何通りか?
(8)です。
ここでは、
「3桁の自然数で、3の倍数は各位の和が3の倍数である」
という性質を利用します。
1,2,3,4,5で、3つを足すと3の倍数になる組み合わせは
{1,2,3}
{1,3,5}
{2,3,4}
{3,4,5}
の4つがあります。
それぞれから出来る3桁の整数は
3×2×1で6通りあるので、
全部で
6×4=24通りとなります。
(9)も同様で、今度は
「9の倍数は各位の和が9の倍数である」
という性質を使います。
すると、
{1,3,5}
{2,3,4}
の2つの組み合わせが見つかります。
それぞれから出来る3桁の整数は
3×2×1で6通りあるので、
全部で
6×2=12通りとなります。
(10)は少し応用になります。
6の倍数ということは、
3の倍数でかつ2の倍数です。
3の倍数になる組み合わせは
{1,2,3}
{1,3,5}
{2,3,4}
{3,4,5}
から、偶数になる組み合わせを求めます。
(2)で解いたように
1の位が偶数になるときから数えます。
{1,2,3}の場合、
偶数になるのは
1×2×1=2通り、
{1,3,5}の場合、
すべて奇数なので0通り、
{2,3,4}の場合、
偶数になるのは
2×2×1=4通り、
{3,4,5}の場合、
偶数になるのは
1×2×1=2通り
合計8通りになります。
こういった、数字を並べる問題と、数の性質と組み合わせたパターンは、この3つなので、覚えておくと良いと思います。
数字王への道まとめ:数けがれなく道けわし!
今回、場合の数のなかで、数字を並べる問題について、試験によく出るような応用問題について取り上げました。
いくつかの問題パターンと解き方について説明しました。
この解き方をマスターすれば、「数字王」とまではいかなくても「数字王子」くらいにはなれると思います。


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