試験に出やすい数A:場合の数の問題・解き方のコツはこれ!

今日は、有名中高一貫校に出そうな試験問題を解いて、コツを学ぼう!第1弾:数A(場合の数)編です。
多分、公立の高1生はとても参考になると思います。
それではレッツGo!

目次

集合の要素の問題はベン図を描かずに要素で勝負

集合の要素の問題を2つ

問題1
80人の生徒に数学と英語の試験を行った。
数学の合格者は60人、英語の合格者は40人、2科目とも不合格だった人は8人だった。次の人数を答えなさい。
1.2科目とも合格した人
2.数学だけ合格した人
3.英語だけ合格した人


この時に集合の要素それぞれを求めます。
数学だけの合格者=a
英語だけの合格者=b
両方の合格者=c
とおく。
数学の合格者:a+c=60 
英語の合格者:b+c=40
2科目とも不合格者:80-a-b-c=8
a+b+c=72
ここから a=32,b=12,c=28と求まります。
よって、答えは
1.28人、2.32人、3.12人
になります。

A,Bの2つの集合の場合、Aだけ、Bだけ、A∩B、AでもBでもない
の4つの要素に分けられるのでそこから求めることができます。
集合の要素に分けてその数を求める手法は次の応用問題にとても有効です。

問題2
ある年のオリンピック競技に、500人が参加しました。
成績1位から3位には金,銀,銅メダルがそれぞれ渡されました。
競技によっては複数の人が同じメダルをもらうこともあった。
3種類すべて取った人はいなかったが、2種類とった人は24人いて、このうち金メダルを含む人は14人、銀メダルを含む人は15人だった。
金メダルだけを取った人は銀メダルを取った人よりも25人少なく、また、金メダルだけを取った人は、銅メダルを取った人の50%であった。
メダルを1つも取れなかった人は357人であった。以下の問に答えなさい
4.金メダルを取った人の数
5.銀メダルを取った人の数
6.銅メダルを取った人の数

この場合、集合の要素は
a.金メダルだけを取った人
b.銀メダルだけを取った人
c.銅メダルだけを取った人
d.金と銀を取った人
e.金と銅を取った人
f.銀と銅を取った人
g.メダルを取れなかった人
になります。

ここでまず、2種類メダルを取った人に着目します。
問題文より
d+e+f=24…①,d+e=14,d+f=15
よって、d=5,e=9,f=10が求まります。
次に銀メダルを取った人はb+d+f=b+15
a-25=b+15 a=b+10…②
銅メダルを取った人はc+e+f=c+19
a=(c+19)×0.5 c+19=2a c=2a-19…③
メダルを取った人=a+b+c+d+e+f=500-357=143
ここに①,②,③を代入すると、4a+10-19+24=143
4a=128 a=32 ②,③より、b=42,c=45
答え
4.32人,5.42人,6.45人 となります。

このように、ベン図を書かなくても要素の数を書くことで解く方法、身に着けておくと、集合の要素の応用問題の時に力を発揮します。

多角形の頂点を結ぶ問題もしっかりと

正多角形の頂点を結んでできる図形の数もよく出ます。


問題
正八角形の8個の頂点から3個を選んで線で結び三角形を作る。この時、つぎの数を求めよ。
(1)三角形の総数
(2)正八角形と1辺を共有する三角形の個数
(3)正八角形と2辺を共有する三角形の個数

(1)は、8個の頂点から3個の頂点を選ぶ場合の数
なので
83=8×7×6/(3×2×1)=56個
(2)は、1つの辺から別の頂点を1つ結ぶ場合の数で、辺を作っている頂点と辺の隣の頂点を除く4つの頂点を選べる。これが8つの辺それぞれにあるので
8×4=32個
(3)は、隣り合った辺、すなわち隣り合った3つの頂点を結んでできる3角形、各頂点につき1つできるので、1×8=8個

よく見る問題ですが、しっかり場合の数を考えれば問題なく解けると思います。
さらに、

(4)対角線の本数を求めなさい

(4)対角線は、ある頂点Aから、頂点Aと隣の頂点2つを除いた頂点に引くことができるので、8×(8-3)=40本、ただし、この時2つの点は重複するので40÷2=20本になります。
正多角形の対角線の数の求め方には公式があって、 
正n角形の時、対角線の数:(n-3)×n÷2 となります。

多角形の頂点を選ぶ場合の数で難しいのは、4角形を作る場合です。

(5)4個の頂点を結んでできる4角形の総数
(6)4個の頂点を結んでできる4角形のうち1辺のみを共有するもの

(5)は、8個の頂点から4個の頂点を選ぶ場合の数なので
84=8×7×6×5/(4×3×2×1)=70個
これは普通の頂点を選ぶ場合の数ですが、(6)は少し難しいです。
(6)1つの辺から別の頂点を1つ結ぶ場合の数で、辺を作っている頂点と辺の隣の頂点を除く4つの頂点を選べる。4つの頂点から2つの頂点を選ぶとき、隣り合った点を選ぶと辺を作るので不適、従って、4つの頂点から隣り合わない2点を選ぶ選び方は3通り、これが8つの辺それぞれにあるので8×3=24個

(6)は一見ややこしそうですが、上の図で、赤い辺を基準に4角形を作ることを考えると、隣り合わないような2点の選び方は、A-C,A-D,B-Dの3通りしかないというのは見ると分かると思います。
正多角形の頂点を選ぶ問題は図が無くてもわかりますが、ややこしくなったら図にするとよいと思います。

文字を並べる順列もコツが分かれば楽勝

問題

J,A,P,A,N,E,S,E の8個の文字を全部使ってできる、以下の順列について答えなさい。

(7)異なる並べ方すべて
(8)J,P,N,Sが連続する並び方
(9)JはPより左側にあり、かつPはNより左側にあるような並べ方

(7)は、8個の文字で、重複している文字が、E、Aそれぞれ2つずつ
よって、8!/(2!・2!)=10080通り

(8)J,P,N,Sをひとつの塊のXとおいて、X,A,A,E,Eの5つの文字で作る並べ方と考えるとよいので
5!/(2!・2!)=30通り

(9)他の文字は無視して、J,P,Nの3つ文字だけを見ると
JPNの順に並んでいるということになります。
J,P,Nの3文字の並べ方は、3!=6通り
そのうち、J,P,Nの順に並ぶのは1通り

したがって、10080÷6=1680通り

こういう並べ方の場合は、(8)や(9)のように特定の部分に着目して、塊にしたり、特定の場合の数を求めて全体から割るような手法で解ける場合が一般的です。

円順列:男4人と女4人座るときも楽勝

問題

男子4人と女子4人で円形に座る。
以下の順列について求めなさい

(10)女子が4人並ぶ並び方
(11)男女が交互に並ぶ並び方

(10)は、まず、女子を一塊にして
「女子・男1・男2・男3・男4」
5人で円を作る円順列を考えます。
これは(5-1)!=24通りです。
次に女子を一塊にしましたが、
その中の女子4人の並び方が、4!=24通り

答え:24×24=576通り

(11)男女が交互に並ぶ並び方は以下のように考えます。
8個の円に並んだ椅子がある。
a.まず、男子4人が円形に座る
b.男子の間に女子が座る

a.は4人の円順列なので(4-1)!=6通り
b.は4つの場所に女子が座るの順列なので4!=24通り

答え:6×24=144通り

男子が座ってからその間に女子が座る

ヤフー知恵袋も役に立つ?

有名中高一貫校の数Aの問題を基に、試験に出やすい数Aの問題について解説してみました。

今回の記事を作成する際に、答えがあってるか確認したくってネットで調べようとしました。すると、どの問題もヤフー知恵袋に質問があってびっくりしました。ということはこうした問題や類似問題は、定期試験に必須の問題であると考えられます。

是非しっかりとマスターしてほしいです。

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