大学入試:英語の民間試験活用予定公表、問題点は?

個太郎塾青砥教室です。
大学入学共通テストで導入される英語の民間検定試験について、国立大全82校の活用予定が公表されました。詳しく見てみましょう
 
目次

各大学の英語の民間試験活用方針は?

今回の公表から国立大学は
1.SEFRA2(英検準2級以上)を出願資格にする
2.SEFRA1(英検3級以上)を出願資格にする
3.外部試験の成績を加点に用いる
4.活用しない
4つのパターンを選択したことが分かりました。
 
1.東京大学、京都大学、大阪大学を始め25がこの出願資格を設定しました。東大などいくつかの大学では、同等レベルの英語力があると高校が認めた証明書があれば出願可能としています。若干骨抜きになっています。
 

2.を設定した大学は、熊本大など13で、ほかにも民間試験を受験だけすれば成績に関係なく出願可とした大学も3校あります。この2.を選択したグループは「外部試験は積極的に活用しない」という意向を行間から感じます。
 

その一方で、3.のようにテストの点数に活用する方針の大学も少なからずあるようです。民間試験の成績を点数に換算し、共通テストで実施する従来型マークシート試験に加点するのは、筑波大、名古屋工業大学、山口大学など33あるようです。
 
 
 福島大学は英語の共通テストの点数200点満点に加えて
A1(英検3級)で+10点、A2(英検準2級)で+15点、B1(英検2級)で+20点」、と5点ずつ上乗せするようです。
この5点を大きいと思うかどうか意見は分かれますね。他の32大学もこういった感じで加点をするようです。
 
 
また、民間試験の公平性に問題があるなどとして、20年度は使わないことを決定している大学が、北海道大学、東北大学、京都工芸繊維大学の3校あります。
 
 
このように、民間試験の活用については2分されている事が分かります。
 

さらに、いまだに大学内の意見がまとまっていないという大学も6大学あり、依然として新しい試験制度への戸惑いが見られます。

大学入試の英語の民間試験の活用、問題点は何?

今回の発表で分かったことは、各大学によって対応が分かれているという点です。

約半数は、出願資格に限定し、さらにそのレベルも決して高くなく、門戸を広く設定していることがうかがえます。
残りの半数は、民間試験の成績を加点要素にしていますが、その加点も当初文部科学省が希望した値よりも少なくなっています。

英語の外部試験活用については
・異なる試験のスコアを用いて行うことは公平性を欠いている

・試験の公正・公平な実施環境が確保されない危険性がある。
採点が適正に行われない危険がある。
地域的・経済的格差を助長する危険性や障碍を持つ学生への配慮が十分でない可能性がある。

という、公正・公平の面での問題点が挙げられていますが、これに対する改善の方向性は示されていません。

この辺りが、国立大学の民間試験導入が消極傾向になっている原因でしょう。
私大はシメシメと思っているかもしれません。

一番の問題は、方針がバラバラなため、受験生からすると、どのように民間試験を受けておく必要があるのかとても不安になってしまう点です。

じゃあ民間試験、どうしたらいいの?

受験を実際にしない私は、こうやってコラムを書いていればいいですが、実際に受験生にとっては大きな問題です。

じゃあ、どうすればいいの?

と、高校生に聞かれたら、

「英検準2級を取ればいい」

と答えます。国公立大学を受けようとしている人で、英検準2級が厳しい人はいないと思います。なので、英検対策の勉強をあえてする必要はないです。
また、無駄に2級を受けて落ちるリスクは避け、準2級を無難に取ることをお勧めします。

加点する大学もありますが、明らかに有利になるのは準1級からになります。英語がとても得意で、英語で大学合格したいという人なら別ですが、準1級を取る勉強をするなら、その分いろんな科目の受験勉強に時間を使った方が賢いと思います。

今の高校2年生は、あと1年半で大学受験になります。
英語だけで受かる大学も少数ありますが、英語だけに振り回されずに数学、理科、国語、社会などしっかりと勉強して受験に備えましょう!

大学入試改革が進んでいますが、いずれにせよ、受験生に学ぶ意味のある良い方向になってほしいものです。

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