
この記事では数学Ⅰの一次不等式の文章題を解説します。
「文章題が苦手!」という人も多いと思いますが、しっかりコツをつかめば解けるようになります。
この記事でしっかりマスターしましょう。
一次不等式の文章題の解き方1:何をXと置くか?
まずは例題を見ましょう。
例題1
問題
1冊120円のノートと1冊80円のノートを合わせて10冊買って、その代金を1000円以下にしたい。
1冊120円のノートをできるだけ多く買うとすると、それぞれ何冊ずつ買えるか?
解き方
1冊120円のノートの数をxとおく。
1冊80円のノートの数は10-xになる。
ノートの代金は120×x+80×(10-x)になる。
これが1000円以内である。
式:120×x+80×(10-x)≦1000
これを解くと40x≦200 x≦5
この範囲で最大の自然数は5
答)120円のノート5冊、80円のノート5冊
求めたいノートの数をxと置いて、xが最大になる値を求めます。
合わせて10冊なので、80円のノートの数は、10-xとおきます。
普通の一次不等式ならx≦5で終わりですが、この場合、「1冊120円のノートをできるだけ多く買うには」という問題ですので、x≦5の範囲で一番大きい自然数の5が答えになります。
このように、与えられた文章をしっかりと式に直すことがポイントです。


一次不等式の文章題の解き方2:食塩水の濃度の問題も同じ方法で
例題2
問題
5%の食塩水と8%の食塩水がある。
5%の食塩水800gと8%の食塩水を混ぜて、6%以上の食塩水を作りたい。
この時、8%の食塩水は最低何グラム必要か?
解き方
8%の食塩水の量をxgとする。
混ぜた後の食塩水の重さは(800+x)gである。
食塩水中の食塩の重さで不等式を作ります。
混ぜる前の食塩水中の食塩の量:
800×0.05+x×0.08
混ぜた後の食塩水が6%とすると、
混ぜた後の食塩水中の食塩の量:
(800+x)×0.06
6%以上の食塩水を作りたいので、
不等式は
800×0.05+x×0.08≧(800+x)×0.06
になります。
これを解くと、x≧400
答)8%の食塩水を400g以上混ぜると、6%以上の食塩水ができる。
この問題では、食塩水中の食塩の量に着目して解くことがポイントです。
理科の問題みたいで難しい感じがしますが、ちゃんと式を作れば問題ありません。


連立不等式になる場合も式をちゃんと作れば問題なし!
先ほどのノートの問題を少し変えてみました。
例題3
1冊120円のノートと1冊80円のノートを合わせて10冊買って、その代金が900円以上1000円以下にしたい。1冊120円のノートを何冊以上何冊以下買えばいいか?
解き方
1冊120円のノートの数をxとおく。
1冊80円のノートの数は10-xになる。
ノートの代金は120×x+80×(10-x)になる。
ここまでは例題1と同じです。
今度は合計の値段が900円以上1000円以下という条件なので
式は
120×x+80×(10-x)≧900 (900円以上)
120×x+80×(10-x)≦1000 (1000円以下)
の2つになります。
これを解くと、上の式から x≧2.5
下の式から x≦5が求まります。
合わせると 2.5≦x≦5になります。
この範囲をみたす自然数は3,4,5
答え:3冊以上5冊以下
連立する文章題の場合、〇〇以上△△以下になるので、
・・・・・ ≧〇〇
・・・・・ ≦△△
という2つの不等式を解くことになります。
例題4
ある店で、商品に原価の50%の利益を見込んで定価をつける。定価から500円引きをしても、原価の10%以上30%以下の利益が得られるのは原価がどのような範囲の時か答えなさい
解き方
原価をxとおく。
定価は1.5xである。(x(原価)+0.5x(50%の利益))
定価の500円引きが原価の10%以上30%以下の利益が得られるを式にします
定価の500円引き(1.5x-500)が原価の10%以上の利益:
1.5x-500≧1.1x
定価の500円引きが原価の30%以下の利益:
1.5x-500≦1.3x
これを解くと、上の式から x≧1250
下の式から x≦2500が求まります。
合わせると 1250≦x≦2500になります。
答え:原価が1250円以上2500円以下
この問題の場合、原価があり、定価があるので、そこを混乱しないで式にすることが大事です。
一次不等式の文章題の解き方のポイント:与えられた文章を式に直す
今日は、一次不等式の文章題についてみてきました。解き方のポイントは、与えられた文章をしっかりと式に直すことです。
おまけ問題です、解いてみましょう!
例題5
倉庫の中に荷物が320個ある、この荷物を1台で50個運べるトラックA1台で35個運べるトラックBを合わせて8台使って運びたい。
(1)トラックAは何台以上必要か?
(2)トラックA1台の運賃は15,000円、トラックB1台の運賃は10,000円である。運賃の合計を100,000円未満にするとき、トラックA,トラックBそれぞれ何台つかうことになるか?
例題6
自主制作CDを作った。費用は50枚までは60000円、それを超える分は1枚につき900円になる。1枚当たりの値段が1000円以下にするには何枚以上作ればよいか?
答え
(1)トラックAをx台として
50x+35×(8-x)≧320
解くと x≧2.666・・ よって3台以上
(2)運賃の式は
15000x+10000×](8-x)<100000
解くと x<4
(1)と合わせると 3≦x<4
これを満たす自然数は3
トラックA3台、トラックB5台
答え
CDの枚数をxとおく
費用は60000+900×(x-50)
これが1枚当たり1000円以下の製作費
60000+900×(x-50)≦1000x
解くと x≧150 よって 150枚以上










コメント
コメント一覧 (2件)
(1)トラックAをx台として
50x+35(8-x)≧320
解くと x≧2.666
では?
ご指摘ありがとうございます。気が付きませんでした・・・ 問題集から数値を変えたときに、確認不足でした。
修正いたしました。 またコメントください。