数学I:必要条件・十分条件の違い、わかりやすい覚え方ってあるの?

じめじめした日が続きますね。期末試験もたけなわだと思います。
今日は、必要条件・十分条件について勉強しましょう。
わかりやすい覚え方や、試験によく出る問題についてもチェックしていきます。

目次

必要条件・十分条件の分かりやすい覚え方は?

必要条件・十分条件について例題を見ながら考えていきましょう。

例題 次の()に入れなさい。
x=1は x=1の(    )条件である。

これを答える場合に2つのポイント

・必要条件、十分条件の言葉の使い方
・命題が真か偽かをみきわめる

があります。

まずは、必要条件、十分条件の言葉の使い方についてみていきます。

命題「P ならば Q」が成り立つ(真)とき、
記号でP→Qと書きます。

この時、
Q
 は P であるための必要条件

P はQ であるための十分条件
といいます。

さらに、「P ならば Q」に加えて、「 QならばP」も成り立つとき

Q は P であるための必要十分条件
となります。

なんだか、分かるような分かりにくいような感じですが、

「 Pならば Q  」→「 P が成り立つには Q が必要
「 Pならば Q  」→「 P が成り立つためには Q が成り立てば十分

という風に考えると、少しは意味が分かると思います。

また、意味にこだわらず、とりあえず間違わないように覚える方法として
「じゅうよう」のゴロで覚える方法もあります。

PならばQの時、
は Q であるための分条件
Q は P であるための
条件

十と要で「じゅうよう」 これで覚えてしまうのも一つの手です。

必要条件・十分条件:命題の真偽を見極めるのも大事

それでは例題に戻りましょう

例題1 次の()に入れなさい。
x=1は x=1の(    )条件である。

さて、このときPはx=1、Qはx=1になります。

PならばQは成り立つのでしょうか?
また、その逆のQならばPは成り立つのでしょうか?

x=1のとき、x=1は成り立つので、
PならばQは成り立っている。
=1のとき、x=±1なので、
x=1は成り立たない。

したがって、P→Qは成り立ち、Q→Pは成り立たないので
「じょうよう」から、
PはQの十分条件であることが分かります。

答え(十分)条件

このように、「必要条件」「十分条件」「必要十分条件」を考えるためには、
P→Q、Q→Pがそれぞれ成り立つのかどうか?
を考える必要があります。

もう少し見てみましょう

例題2 次の()に入れなさい。
a,bは実数とする。
ab=0は a+b=0の(    )条件である。

このときPはab=0、Qはa+b=0になります。

a,bが実数であれば、
a+b=0が成り立つのはa=b=0の時です。
ab=0が成り立つのは、aまたはbが0の時です。

この時、ab=0の時は、a,bのどちらかは0でなくても良いので、a+b=0は常に成り立つとは言えません。したがって、P→Qは成り立ちません。

一方で、a+b=0の時は、a=b=0なのでこの時ab=0は常に成り立ちます。したがってQ→Pは成り立ちます。

Q→Pは成り立つので
Pは「じょうよう」の要になり、PはQの必要条件であることが分かります。

このように、命題が成り立つかどうか(真偽)と十分・必要の条件を合わせて答えることがポイントになります。

必要条件・十分条件:よくある問題をチェック

それでは、典型的な例題をいくつか解いて理解を深めていきましょう!

例題3 
a,b,c,x,yは実数である。次の()に入れなさい。
(1)x=4は、4x=xの(    )条件である。
(2)a+
b=0は、a+b=0の(    )条件である。
(3)x=2またはX=3は、x-5x+6=0の(     )条件である。
(4)a>bは、a>bの(    )条件である。
(5)a+b>0は、a>0かつb>0の(     )条件である。

解答

(1)x=4(P)の時、4x=x(Q)は成り立つので
P→Qは成り立つ。Pについて、じゅうようの十が成り立つ。

4x=xの時、X=4以外にX=0でも成り立つので
Q→Pは成り立たない。

よって、PはQの十分条件

 

(2)a+b=0(P)の時、
例えばa=1、b=-1なら
a+b=0(Q)は成り立たない。
よって、P→Qは成り立たない

a+b=0の時、a=b=0なので、a+b=0は成り立つ
よってQ→Pは成り立つ。
Pについて、じゅうようの要が成り立つ

よって、PはQの必要条件

 

(3)x=2または3(P)の時、x-5x+6=0(Q)は成り立つので、P→Qは成り立つ。
Pについて、じゅうようの十が成り立つ。

-5x+6=0の時、
(x-2)(x-3)=0である。
この時、x=2または3である、よってQ→Pも成り立つ。
Pについて、じゅうようの要が成り立つ

よって、PはQの必要十分条件

 

(4)2乗の問題は間違いやすい問題でもあります。

の平方根は±aです。
また、(-a)=aです。  
a>bは、a=-2、b=1であれば、a>bは成り立ちません。
また、a=1、b=-2であれば、a>bですが、a>bは成り立ちません。

この場合、P→QもQ→Pも成り立ちません。
したがって、答えは必要でも十分どちらでもないになります。

二乗と平方根の大小の比較の場合は注意が必要です。
というか成り立たない場合が一般的です。

 

(5)a+b>0(P)の時、例えばa=3b=-1でも成り立ちます。
この時a>0かつb>0(Q)ではないので、
P→Qは成り立たない。

一方、a>0かつb>0であれば、a+b>0はつねに成り立つ。
Pについて、Q→Pは成り立つ。
Pについて、じゅうようの要が成り立つ

よって、PはQの必要条件

 

(4)や(5)のような不等号が入った場合には間違いやすいので、実際の数字を当てはめてみて成り立つかどうか判断するのが良いです。

必要条件・十分条件わかりやすい覚え方まとめ

必要条件・十分条件わかりやすい覚え方と、典型的な問題の解き方を見てきました。

まず、P→Q,Q→Pが成り立つかを判断

そして、P→Qが成り立つなら、
Pはじゅうようの十で十分条件

Q→Pが成り立つなら、
Pはじゅうようの要で必要条件

P→Q,Q→Pが両方成り立つなら、
必要十分条件

これを押さえれば、期末試験も余裕ですね。
そして、この分野はセンター試験(大学入試共通テスト)の数IAでもよく出る範囲なので、しっかり復習しておくと良いでしょう。

 

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