最近、いろいろとドタバタ感を感じる情報が多く出ている、大学入試「共通テスト」、英語の民間試験からTOEICが撤退という情報に続き、またも???という情報が明らかになりました。
共通テストのなかの記述式問題の採点に学生バイトを認めるという方針であることが明らかになりました。
そもそも、記述式問題の採点を外部に委託して良いのでしょうか?
学生バイトじゃなくても、誰とも知れないバイトが採点する可能性もあります。
公平性、採点ミス、秘密保持などは大丈夫なのでしょうか?
この問題について考えてみたいと思います。
そもそも「大学入学共通テスト」の記述式問題って?
「大学入学共通テスト」(以降、「共通テスト」)は、現行のセンター試験にかわって、2021年の1月より始まる試験です。今の高校2年生からはこの「共通テスト」を受けることになります。
共通テストはこれまでのセンター試験から徐々に変更していくことが予定されています。2021年から大きく変わる点として、「記述式問題の導入」があります。
センター試験では、全てマークシート方式で実施されていましたが、共通テストでは、一部で記述式問題が導入されるのが大きな特徴です。まずは、国語と数学IAで導入されることが決定しています。
大学入試センターの発表によると、国語は20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度を記述する問題がぞれぞれ1問ずつ、3問の記述式問題が出題される予定となっています。
評価はマーク式問題の配点とは別に評価され、5段階で評価されます。各大学は、国語の点数をマーク式の点と記述式の評価を合わせて合否判定に用いる予定になっています。
数学は、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」受検者を対象に、「数学Ⅰ」の範囲から記述式の問題が3問、マーク式の中に加えられる予定です。「数学A」の方が記述に向いていそうですが。なぜか「数学I」から記述式です。数学の記述式問題は、マーク式問題と合わせ、100点の中で配点が行われることとなっています。数学の記述式問題はおそらく、〇✖で採点されるのだと思われます。
このように、共通テストには、新たに「記述式問題」が加わるのが大きなポイントに1つです。

「大学入学共通テスト」記述式問題は採点が大変?
さて、「共通テスト」には記述式の問題が新たに加わるわけですが、マークシートは機械が採点してくれますが、記述式の問題は人間が採点する必要があります。文部科学省は、採点におよそ1万人が必要だと見込んでいます。
国立大学の教授は6万人、私立も合わせると16万人もいるので、採点は教授がやるのかと思いきや、外部に委託することを想定しているようです。
採点者する人は誰でもいいのか?と気になるところですが、文部科学省への取材から、採点者として大学院生や教員の退職者だけでなく、アルバイトの大学生も想定していることが分かったのです。
これについて、
学生が大学入試の採点に関わることがいいのか?
記述式という大学教員でも難しい採点業務を正確にこなすことができるのか?
という疑問の声が上がっているようです。
学生アルバイトが、一部とはいえ大学入試の採点を行うというのは・・と思いますが、学生バイトじゃないとしても、そもそも外部委託でいいのか?、と疑問に思います。
実際に、すでに行われた共通テストのプレテストでは、ベネッセがアルバイトの大学生などを採用して採点した結果、国語の記述式で0.3%で採点ミスが見つかったという報告もあります。
さらに、プレテストを採点したという大学生から、「採点基準がよくわからなかったりして、2割から3割ぐらいは基準どおりに採点できているか自信がない。」という意見も出ているそうです。
アルバイトであったり、外部の人を1万人も採点する人を雇用して、秘密は漏れないでしょうか?twitterやインスタから漏れそうですよね。
・ミスのない採点方法
・公正な採点方法
・守秘義務の厳守
この辺の議論はしっかりされているのでしょうか?
これまで大学入試センターは、公平公正に強くこだわっていました。
大学入試センター試験でも、試験の実施と採点には公平になるようにしています。センター試験の試験監督がしゃべるセリフは統一されて余計なことを話してはいけないようになっていますし、試験時間も厳密に守られています。
答案は、何度か確認されたうえで大学入試センターに送られてマークシート読み取りを行われています。ここでも、ミスが無いようにダブルチェック・トリプルチェックのうえで行われます。
受験生の間に不公平がなるべく無いように、神経をとがらせてきました。
このようにして行われる試験なのに、一部とはいえ、採点を外部に委託するというのは、いままでの公平・公正に目くじら立てていたのは何?という感じがします。

記述式問題の採点、公平さを保つならどうすればいい?
「共通テスト」に新たに加わる「記述式問題」の採点ですが、記述式問題の採点にはバラツキがあることはよく知られています。
受験生なら、予備校の記述式模試の場合、採点者によって点数の付け方が異なっていることはよく知っていると思います。
そういう性質があり、採点が難しく公平性が保ちにくい記述式問題の採点に学生バイトをはじめとした外部の人が担当して受験生は果たして納得するでしょうか?
採点ミスがあった場合誰が責任を取るのでしょうか?
約50万人が受けるとされる共通テストの「記述式問題」の採点にバラツキがでないとは到底思えませんが、なるべく公平さを保ってほしいものです。
その採点をするのが、誰だかわからない人だったら受験生としては納得できないと思います。
自分の人生をかけた試験を時給1000円のバイトが採点して納得いきますか?
私論ですが、採点は、ある程度責任を持てる人が行うべきだと思います。
・大学の教員
・文部科学省の職員
・高校の国語教員
を選抜して採点を行ってもらうのが、受験生としては一番納得いくと思います。
一人当たり3万円の手当で1万人、3億円かかりますが、外部委託するよりも安いのではないでしょうか?
ぜひ、この問題、文部科学省ならびに大学入試センターは真剣に考えてもらいたいものです。
大学教授の方々にも「外部委託するくらいなら俺らが採点する」というような勇ましい意見を言ってもらいたいものです。
とりあえず、きょうはこの辺で。
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